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2023年 8月 教育現場と幼稚園

巻頭言

6月の話ですが、教育委員会の方がこれからの門真市の子どもに向けた教育を考えていくうえで、幼稚園を見学したいということでいらっしゃいました。話の中で「イエナプラン」というオランダで行っている教育形態の話が出てきました。「イエナプラン」では異年齢での教育形態や授業の時間割を子どもたちが選択するような教育が行われており、最近ではこのような形態の小学校も日本で増えてきており注目を集めています。なぜ、こういった教育への転換が注目させれているのかというと、「Society5.0」という内閣府が出しているこれからの社会にも必要な教育形態の提案が出てきているからではないかと思います。この「Society5.0」のことはこれまでも紹介していましたが、そこでは「子ども主体の学び」であったり、「教科横断的で探求的な学び」ということがいわれており、子どもが自ら学びに向かう教育形態が打ち出されています。

 

ただ、私はこういった教育を小学校から初めてもなかなかうまくいかないのではないかと思っています。乳幼児からも進学に向けた教育は見直されるべきで、自ら進んで学ぶ意欲をつけることを考える必要があると思っています。そして、そのためには乳幼児期にしっかりと環境を通して遊ぶということが重要ではないかと思っています。今、たちばな幼稚園では異年齢保育やチーム保育、選択制のある保育といった藤森メソッド(見守る保育)を通して、子どもたちの発達や成長に合わせて保育を進めています。

 

最近の社会の展開というのはとてもスピードが早く、あっという間に社会の構造が変化しています。特に新型コロナウィルス感染症がはやったことで変化の加速度はより増しています。そういった状況下で、従来の教育形態では今後、社会に追いつけない事態が起きかねません。なので、門真市の教育委員会も何か変化を起こそうとしているのだと思います。

 

このように幼稚園に関連する様々な連携は非常に心強く感じます。また、これからの教育や保育の内容は乳幼児期からつながっており、これからの教育の内容を発信していくことも幼稚園として一つの発信源としての役割があるのかもしれないと教育委員会の人たちと話していて感じました。なぜなら、子どもたちの教育や環境を変えるためには教育現場だけではなく、子どもを取り囲む大人の協力や理解はとても重要になってくるからです。そのため、幼稚園からも小学校と連携とした教育の内容が議論され、発信されていく必要があると思いました。教育委員会の方々との話は、私にとってはこれからの門真の教育が変わっていくのだろうととてもワクワクするものでした。その時に、幼稚園もしっかりと子どもたちにその土台が備わっているような保育をしていかなければいけないと志を新たにする出会いでした。