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2023年 7月 地域と幼稚園

巻頭言

最近、地域とのつながりを感じる機会が多くありました。それは地域の街づくりをしている企業との関わりが生まれたことや門真音頭が夏祭りでまた復活したことなどから、地域文化にも触れる機会も徐々に戻ってきました。お泊り保育では子どもたちが地域に出て、夕飯の食材を買いに行くなど、地域に出ることがあります。こういった機会を考えたときに幼稚園の地域としての機能を考えてしまいます。

 

そもそも、幼稚園にはどういった機能があるのかと考えたときにもちろん、幼稚園は「子どもの保育を行う」ということが主となる機能を備えた施設です。それは「この頃の子どもたちの発達を保証する」ということが目的であると考えています。そして、そのアプローチとして、自分の発達にあった様々な活動を提案することや、子どもたちの発達にあった遊ぶ環境を整えることが必要になってきます。このような環境づくりにおいて、お泊り保育や夏祭りのように地域の機能を利用して地域とのつながりを作るということもその一つです。地域に子どもたちが出ていくことは園の認知にもつながりますし、それはそのまま防犯という意味でも価値があります。そして何よりも、地域文化を知るということはとても重要なことでしょう。最近では、なかなか日本の文化そのものを残すことが難しくなってきています。ましてや地域の文化というものはなおのこと触れる機会が少なく、今回の門真音頭を知らないといわれることが多くありました。

 

この門真音頭を始めたのはコロナ前からですが、保存会の方々に教えてもらっていた時に、「幼稚園の子どもたちは楽しいそうに踊ってくれますね」とおっしゃっていたのを思い出します。その話では小学生になると恥ずかしがって踊ってくれない子どもが多いが、乳幼児くらいの子どもたちだと割と楽しく踊ってくれていた姿がとても印象的だったようです。確かに、幼稚園の子どもたちを見ていても、ダンスは好きですし、保育でも音楽を流すとその音に合わせて楽しんで踊る子は多くいます。そう考えていくと、こういった文化的な舞踊は乳幼児期のほうが出来はどうあれ、前向きに触れやすいのかもしれません。そういった地域のつながりにおいて、文化に触れることは子どもたちにとっても地元を知ることに非常に重要な意味があり、昨今の地域文化にも貢献できることがあるように感じました。

 

最初の話に戻るのですが、幼稚園の地域の機能を考えると、もっといろいろなことができるのかもしれないなと、地域の企業さんや門真音頭の保存会の方々と話していて感じることがありました。どうしても保育や教育現場というのは地域に近いようで、遠い部分もあります。しかし、地域の力を借りて活動を行うことで園の子どもたちだけでなく、地域にも貢献できることもあるような気がします。そして、こういった活動は幼稚園の保育の発信にもつながります。結果として、地域に向けた活動が幼稚園の保育や教育の考え方や子どもの環境の発信につながればいいなと感じました。