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投稿日時 2022年4月19日

食べる意欲

副園長のコラムcolumn園からのお知らせcolumn日々考えること

0歳児クラスの子どもたちは今年は8人と昨年度に比べるとありがたいことで、定員に近い人数からのスタートでした。そして、今年はくるみ組の子どもたちも月齢が低いため、ハイテーブル・ハイチェアでの食事からスタートです。くるみ組に進級してきた子どもたちも、どんぐり組の子どもたちと共にご飯を今は食べます。

乳児クラスの子どもたちは発達の差がとても大きく表れます。少しの月齢の差でも大きく違いますし、その子、その子によっての発達のスピードも違い、その違いは顕著に表れます。遊びと同様に、食事環境も子どもに合わせて作ってくことが乳児の子どもたちの保育において重要になってきます。そのため、「1歳児だから」とか「0歳児だから」といった刷り込みで子どもを見ることは現状の子どもたちの姿とはかけ離れる場合があります。大切なことはその時、その時の子どもたちに合わせることが出来る環境を作ることです。そして、食事における目的は「子どもたちが『食べる意欲』をもって食事をする」ということです。

 

そこで、子どもたちにとって食べる意欲のための刺激になるのが「他児」の存在です。他の子どもたちがどうやって食べているのかはそれを見ている子どもにとってはとても刺激になります。大切なのは「食べさせる」ことではなく、「どのように食べるかです」。意欲を持たすということに大人の働きかけもありますが、近くにいる他児を見て、興味を持つことも大いにあります。

 

 

意欲を持つと手を出し始めます。幼稚園では子どもたちの手づかみ食べを積極的に行っています。これも「食べる意欲」を持たせるために大切なことです。食べさせ方ばかりを気にして、食事の方法(例えばスプーンの使い方)ばかりを気にしてしまうと肝心な食べる楽しみが優先順位として低くなってしまいます。まずは食べることに興味をもつことが大切になってくるのです。そのうえで、スプーンを環境の中にいえることで、自然と手を伸ばした時が狙い時です。スプーンにすくってお皿においておくと、自然とスプーンを使って食べ始めます。何も手に持たせようとしなくても、子どもたちは興味があると自然と手を伸ばして使い始めます。

 

また、食べさせられることばかりを目的としていると、子どもたちは自分で食べようとせず、食べさせられることを待つようになります。そのうえ、口の中に食べ物を入れられてばかりであると食べる量も与えられたまま食べるようになります。それが後の肥満につながったり、成人になった時の摂食障害にもつながるといわれています。

 

子どもたちは生活の中で本来持っている「生きる力」を使っています。そして、その力を使うことで、成長や発達をしていると私は思っています。そのためには、子どもたちの力がどのように使われているのかを予測しなければいけません。そして、それらの能力を使うことを支援することが大切なのだろうと子どもの様子を見ていると感じます。