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移行

副園長のコラムcolumn日々考えること

いよいよ、卒園式も終わり、終業式も終わり、来年度に向けて準備が着々と行われています。新しく入ってくる新入園児さんの準備と共に、在園している子どもたちの準備も始まっています。たちばな幼稚園では、毎年、年が明けた頃から来年度に向けての「移行」を考えていくようにしています。

 

「移行」というのは子どもたちが無理なく新年度に向けて活動できるように徐々に新年度の環境に「移行」していくということが目的になっています。一番の理想は4月に入った時点で気づいたら環境も先生も変わっていたというのが理想です。大人でも新しい職場、新しい環境というのは非常に緊張するものです。それは子どもたちも一緒です。だからこそ、できるだけストレスなく新年度を迎えることが出来るように慣れている先生が安心基地となり、新しい環境に移ることから始めていきます。そして、その後、徐々に新年度の担任の先生にバトンを渡していくということが移行のプロセスになります。

 

その際、一番ストレスがかかるのが2歳児です。2歳児は幼児クラスになり大きな異年齢集団となります。そして、自分で用意したり、選択したりと活動の範囲が大きな変化していきます。まず、顕著なのがこれまで6対1配置であった大人の人数から20対1と3倍以上の子どもの人数に対する大人の人数になります。そのため、2歳児の先生は来年度に向けて、どこから移行を始めていくのかという事を考えていきます。少しづつ人を減らしていくために何を始めていくのか、自分で自分のことがある程度できるようにするためになにを伝えていくのかを年度を通して考えていきます。それは移行の時期に急いで行ってもできることではないからです。次の年度に向けて今何をするのかということを一年を通して行っていく必要があります。

 

こういった見通しは何も2歳児だけに起きることではありません。0歳児においても、1歳児においても、3歳児、4歳児、5歳児においても、次の年度にうまくパスしていくことができるように年度を進めていく見通しを持つことをしなければいけないのです。特に2歳児が大きく環境が変わるので、そういった見通しがシビアになり特に重要な時期であると言えます。

 

こういった年度の進め方や新しい環境に進級させていくことで、子どもたちの発達の連続性はよりスムーズに、そして、無理なく進めていくことが出来ます。また、新入園児の子どもたちは乳児は慣れ保育、幼児は午前保育の時間を取ることで、少ない時間ですが少しづつ子どもたちが幼稚園に慣れるような時間を取っています。

 

移行というのは年度をまたぐ非常に重要な活動であると思っています。そして、子どもたちにとっても環境の変化というのはストレスがかかるものです。できるだけ、無理のなく新しい環境に慣れ、友だちとの関わりや遊びを存分に楽しみ、自己発揮してほしいと思っています。