タイトル
内容
投稿日時 2023年3月29日

副園長のコラムcolumn日々考えること

卒園式も終わってあっという間に2週間たとうとしています。新しい環境に向かう卒園児たちは実に晴れやかな顔をしていました。卒園式中はあいにくのあめ。。。あ~、最後なのにと思っていましたが、式が終わるころには子どもたちの門出に花を添えるかのように雨も止んでくれ、子どもたちとの挨拶もできました。

 

この頃になるといつも思い出すことが多いのは、ある小学校であった道徳の授業です。これはもう10年くらい前の話なのですが、その授業で当時シアトルマリナーズで活躍していたイチロー選手を取り上げた授業でした。そこで先生が伝えたかったことは「イチロー選手は努力したから、こんなにも優秀なプレーヤーになることが出来たんだ」ということでした。つまり、「努力することは大切」ということを伝えたかったのだろうと思います。

 

確かに努力はとても大切です。しかし、努力したからいいプレーヤーになりたかったのでしょうか?当時、一緒にその学校の授業を見学していた先生が私に言ってくれたのが「努力したからいいプレーヤーになった」のではなく、「こういった自分になりたいという目標や目的、夢があったから努力できたんじゃないか」と言ったのです。このことはこの前あったWBCで大活躍だった大谷翔平選手にも同じことが言えますね。当時、彼が花巻東高校時代に目標達成シートを作っていたのは有名な話です。その頃の夢は「8球団からのドラフト1位指名」であったそうです。こういった大きな目的があったからこそ、努力できたのではないかと思います。そういった意味では努力というのは目的ではなく、手段であると言えますね。

 

そう思うと、私は学校にいる期間というのは夢に向かう準備期間であったり、夢を見つける期間でもあると思っています。幼稚園を卒園して、小学校に進学していく子どもたちにはそういった夢に期待をもって、これから社会に向かっていってほしいなと思っています。そして、そういった子どもたちを取り囲む大人は子どもたちの夢を支援していくということが大切なことなのだろうと思います。特にこれからの時代は、これまであった仕事が無くなっていく時代になり、AIが代替されていく時代になります。そして、新しい職業に就くことになるであろう子どもたちにとってはこういった夢や希望といった目的意識はとても重要になってくると思います。

 

願わくば、子どもたちが充実し豊かな社会を生きていけるよう、今後も保育を通して、子どもたちと関わっていきたいと思っています。改めて卒園おめでとう。