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10月の上旬に運動会が終わり、次は秋の行事、そして発表会へと2学期は行事が目白押しです。新型コロナウィルス感染症への対応も少しずつ緩和され始め、様々なイベントも多少の制限はありながらも、以前の状態に戻ってきたようです。しかし、これまでのコロナ禍で様々な問題が出てきているようです。マスク生活による問題、子どもの発達における問題などとこれまでの様相から一変した時期ということもあり、これからその影響というのは少しずつ出てくるように思います。
そんな中、日本経済新聞の10月7日のくらしナビのコラムの中で「子どもの運動苦手克服には」という記事がありました。これはスポーツトレーナーの遠山健太氏が書かれたコラムなのですが、新型コロナウィルスのせいもあって、子どもたちの運動不足や体力低下が心配されているということから話は始まります。そして、「本来子どもは外遊びが好きなのに、運動が苦手だと意識する時期がある。その要因の一つに学校体育があるのではないだろうか」と言っています。その理由には「周囲の目を気にして、うまくできないことが恥ずかしいと思い、体を動かすことが嫌になっていくケースが該当する」とありました。確かに習得を目的とする体育の授業においては評価される側面があるだけにそれを意識してしまうことがあるのかもしれません。
では、「運動」とはいったいどう考えたらいいのでしょうか。そもそも「運動」は何を指すのでしょうか。辞書にはこう書かれています。運動とは「1.あちこち位置を変えて動くこと 2,健康や楽しみのために、体を動かすわざ、特にスポーツ」。とあります。以前、ある研修で受けた内容ですが、東京芸術大学の杉原隆氏の2011年の研究では、幼稚園において決められた運動を指導されるよりも自由に遊ぶ方が、幼児の運動の能力は高くなるという結果がありました。しかも、その研究では人数が多いほど運動能力が高くなるそうです。そう考えると、特別な何かをするよりも子どもたちがのびのびと外遊びをすることが、運動機能を伸ばすことにもなるのだろうと思います。
先日での運動会では、子どもの様々な動きを見てもらいました。そこには「運動会のために練習した姿」ではなく、「普段の遊びの中で培った運動の力の発達を見てもらう」ということを目的にして、子どもの健康や表現領域を切り取ってみていただきました。次に発表会では、子どもの言葉と表現の領域を切り口に見ていただこうと思います。子どもたちが普段遊んでいる様子や生活する様子から、子どもたちの発達を伝えていく場になります。子どもたちは何気なく遊んでいるのではなく、その中で様々な学び、刺激、関わりをもって過ごしています。もしかすると、大人が意図的に行うこと以上に、子ども同士での遊びの中でのほうが、学んでいることも多いかもしれません。実際に非認知能力に関しては、子ども同士の関わりや主体的な遊びの中で育つといわれています。大切なことは「やらせること」ではなく、「やろうとする環境を作る」ということなのでしょうね。
2023年11月9日