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投稿日時 2022年1月5日

新年のあいさつ

日々考えること

あけましておめでとうございます。

2021年があっという間に過ぎ、2022年が始まりました。新型コロナウィルスはワクチン接種が始まったことにより、ずいぶんと感染者数は減ってきましたが、オミクロン株によってジワジワと感染者数が増えてきて、第六波という言葉もちらほらと聞こえ始めました。まだまだ予断を許さない状況下ではありますが、今年もよろしくお願いいたします。

 

運動会や発表会も終わり、少しホッとした雰囲気の中、3学期は新しい年度に向けての準備が始まります。年長さんは小学校に向けて、他の年中さんや年少さん、つくし組、くるみ組、どんぐり組は次のクラスに上がる移行が始まっていきます。来年度は幼児クラスの保育の方法もお手紙でお知らせした通り、クラスの垣根を無くしていく保育の方法を模索しようと考えています。門真市の子どもの人口も減り、子どもの数も少なくなっていく中で、大きな変化を幼稚園も迎えようとしています。保護者の方々におかれましては、「またか」と思われることも多々あるかと思いますが、ご理解とご協力のほど、いつも本当にありがとうございます。

 

先日、年始に箱根駅伝がありました。そこで今年は圧倒的な大差で青山学院大学が6度目の優勝をしました。私自身はあまり駅伝自体に興味はないのですが、原監督の駅伝のチーム作りというのは非常に感銘を受けます。選手それぞれに競わせるのではなく、考えさせながら駅伝のチームを作っていったというのです。そこで重要になってくるのが「主体性」であると言っていました。この「主体性」というのは保育の中でも度々キーワードに上がってくる言葉です。「自分で考え自分で修正し実現していく」そんなことが青学の駅伝チームではそれぞれの選手が行っていました。また、ライバルになった選手も、ポジションを競ってはいるがそこにはお互いのリスペクトがあるということもとても良い環境であると思いました。では、その時に監督はどうあったのかというと「自分で考えさせるようにした」というのです。答えの80%は選手が考えるとも言っていました。そこには選手は自分で考え、自分で改善点を見つけるということを大切にしていたのです。まさにここには選手の主体性が求められます。そのために監督は何かを導くのではなく、そっと選手を見守っていたというのです。それと同時に、選手たちに対して目的意識を持たせることを大切にしていました。こういった目標に向かう選手同士の切磋琢磨は形となって現れてきたのです。こういった環境下を体験した選手たちはこれからの人生においても、自信をもって生活を送っていくだろうと思います。そして、その環境における結果は監督の言うとおりに動くチームとは違い個々の選手の能力があがったことによって今回の駅伝の結果につながったというのです。

 

乳幼児期の子どもたちは遊びの中で様々なことを経験していきます。その中で、友だちと関わりを持ったり、真似したりしていく中で自分というものを見つけ、自信をつけていきます。子どもたちの遊びの中でも青学の選手のように「自分で考え、改善していく」ということはたくさんあります。自分で取り組み自分で改善点を見つけて、変化させていく過程はとても重要なことです。そのときに大人が行うことはただ「見る」のではなく、必要な時に寄り添う「見守る」が必要なのだろうと思います。そして、こういった環境を保育者としてどのように作っていくことが出来るかが保育であると考えています。先々において、こういった経験が将来の力につながっていくと私は思っています。それは大学であろうが、乳幼児であろうが変わらず起きています。クラスを減らして保育環境も変えていくなかで、こういった力を培う環境をつくる大きなチャンスがあると思っています。変化を起こしていく中で保護者の方々にはいつも心配とご理解をいつもながらお願いしているのは恐縮ではございますが、今後とも温かく、時には厳しく、ともに家庭と幼稚園と連携していきたいと考えています。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

副園長 邨橋智樹