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小学校と幼稚園

副園長のコラムcolumn日々考えること

先日、速水小学校の授業を見学させていただく機会をいただきました。なかなか幼稚園で働いておりながら、先の小学校を見るということがなかったので非常にいい機会になりました。最近ではパソコンを使った授業であったり、黒板だけではなくディスプレイを使って授業が進められており、驚くことも多くありました。

 

昨年、門真市の公私立協議会といった公立と私立の幼稚園と教育委員会の人とのヒアリングの中で門真市下の小学校の課題があげられていました。一つは「学力の低下」特に国語力が低下しているそうです。そして二つ目が「非認知能力」でした。この非認知能力は簡単に説明すると、やり抜く力や自制心、人と協同する力、感情をコントロールする力のことを指します。この力があることで大人になってからの幸せや経済的な安定につながるといったことを証明したペリー就学前教育の研究から注目された能力です。また、この「非認知能力」。「非認知」といわれるだけあって、テストなどで可視化や点数化するといった「認知」できないため、そのように呼ばれています。

 

この非認知能力という能力、どうしたら習得できるものなのかというと、「子どもの主体性を尊重した遊びと生活」といわれています。つまりは子どもたちが主体的に遊ぶことや物事に取り組むことでつく力となるのです。そのため、今たちばな幼稚園でも自由遊びの時間を多く取ることや、活動においても選択制をとること、チーム制にして職員が幅広く子どもたちの活動に対応できるようにしたり、異年齢にすることで多様性のある人間関係の中で育っていけるような保育形態をとっています。

 

昨年の門真市の公私立協議会に話を戻すと、保育施設に対する小学校からのお願いで「遊びを通じた非認知能力の向上」を言われました。これまでは「五十音のひらがなをかけること」などの学力的な面であったところから、こういった育ちにおける内容に変わってきたようです。

 

私は乳幼児期は小学校のプレスクールではなく、保育は保育だと思っています。つまり、乳幼児期教育という別にやらなければいけないことだと思っています。そして、それは誰かにやらされるのではなく、自ら選び主体的に遊び学ぶことだと思っています。本来、自ら学ぼうとする力を子どもたちは持っているのに、主体的な学びはいつの間にか押し付けられた勉強になっていくのは子どもの可能性を阻害しかねない行為だと思います。東京の有名私立小学校では、受験においてはこれまでのようなテストではなく、子ども同士でどう関わるのか、制作物を作らせてどういったものを作ったのかといった創造性を測るようなものにかわってきているそうです。つまりは、「自ら取り組む」非認知能力的なものを測っているのだろうと思います。

 

こういった流れはこれからどんどん加速し変わっていくでしょうね。そういった未来に向けて、今何をしなければいけないのか、おそらく、今行っている藤森メソッド(見守る保育)という保育形態は非常に重要な意味を持つように思います。