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あけましておめでとうございます。

副園長のコラムcolumn日々考えること

あけましておめでとうございます。本年もたちばな幼稚園をよろしくお願いいたします。今年は新年あけて早々に石川のほうで地震が起きたり、羽田空港でも航空機による事故があり、立て続けに不穏な幕開けとなりました。亡くなられた方々にご冥福をお祈りするのとともに、被災された方々には一日も早くいつもの日常が戻ってくることを心よりお祈りしています。

 

先日、元旦に知り合いの高校の教師と話をしていたのですが、これからの教育が変わっていくということに話が進みました。その中で、その方は「教育が変わってくるのはわかる。必要なことだと思う。でも、だったら大学の入試を変えてほしい」とおっしゃっていました。今の教育現場ではこの「本音と建て前」の違いに四苦八苦しているというのが現状なのでしょうね。それと同時に、いかに今の日本の教育現場が進学ということが中心になっており、学校での学びということ自体にスポットが当たっていないということを物語っているように感じました。誰が悪いというよりもそれが当たり前なのです。

 

そんな中、日本の教育は今後どうなっていくのでしょうか。日本の教育は世界的に見て非常に高パフォーマンスであるといわれています。PISAの学力到達度調査では数学的リテラシーではOECD加盟国中1位、読解力は2位、科学的リテラシーも1位と非常に高い水準にあります。しかしその一方で、いじめの問題、教師不足の問題、不登校の問題と様々な問題があります。特に教員不足は深刻なようで、その理由は一部の極端な保護者への対応やメディアの喧伝などで浸透した3Kの問題など働き方における理由が多くあるようです。

 

この教員不足について東洋経済のコラムで文部科学副大臣や同大臣補佐官を歴任した東京大学大学院教授で慶応大学大学院の特任教授である鈴木寛氏はこれからの教育をよりよくしていくために、日本はどんな方向に進んだらよいかという質問に対して「日本社会に根強くある減点主義に見切りをつけた若者は、教員や官僚だけでなく、日本そのものから立ち去ろうとしていることに早く気付くべき」と言っていました。

 

この「減点主義」というのは何も教員だけではなく、教育や保育、社会においても今の世の中を示している文化のように感じます。つい、「できていない部分」ばかりを批判的に見てしまう世の中になっているということが不寛容といわれる時代を示しているのかもしれません。明るい未来を作っていくためには「ワクワクする」という気持ちはとても大切なように感じます。教育や保育においても、本来であれば学ぶことというのは「ワクワクする」べきものなのでしょう。しかし、いつの間にかワクワクするものから強制されるものに変わってきます。こういった教育のあり方は先の「減点主義」にもつながっているようにも思います。願わくば子どもたちが学ぶこと「楽しい」「もっとしたい」と思えるような環境を作ってあげたいと思います。そして、「いい学校に進学する」という動機ではなく、「〇〇を勉強したい」と思って進学をするような教育形態になっていくように考えていかなければいけないのだろうと思います。そのためには教育や保育に向かう我々自体もそれと同じくらい学ぶことの楽しさを知らなければいけないのでしょうね。

 

今年は私自身楽しんで保育を見守っていきたいと思います。