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2023年2月 未来の仕事

園からのお知らせcolumn巻頭言

 先日、大阪府の私立幼稚園連盟の研修でとある動画を見ました。それは「The Future of Work」という動画です。Youtubeで見られるものなので興味のある方は是非一度見てみてはいかがでしょうか。その動画には題名にもあるように未来の仕事の紹介がされています。

 

工業地で無人で動く大型のダンプカー。大きな農場を耕す無人トラクター。放牧され、牛舎に変える道中で自動的に搾乳される乳牛。3Dプリンターで24時間で作られる住宅。高速道路を無人で走る長距離トラック。アマゾンの無人のコンビニ。自動的にできる食事。医師のいない手術台では多くの優秀な医師のデータを取り込んだ無人の手術。これからの社会はこのように変わっていくのかと最初はワクワクしながら見ていたのですが、その動画を見ているとあることに気づきます。そこに仕事をしている人の姿は映っていません。ここで出てきたほとんどの仕事は自動化され、無人化され、ロボットによって代替されていく仕事として紹介されているのです。つまりは無くなっていくか、少なくなっていく仕事になってきます。そして、最後にこう締めくくられています。「Will Our Children Be Prepared?」(私たちの子どもたちは準備ができているだろうか?)。これを見てどう感じるでしょうか。何とも考えさせられる言葉ですね。

 

こういった様々なことが無人化や自動化されていく社会において、様々なことが言われています。時代の変化とともに働き方や求められる能力が変わってきているといえます。一つはインプットからアウトプットといった暗記をもとにした授業や勉強ではなく、自ら能動的に社会に働きかける力や困難に立ち向かう力、新しいものを創造する力を培う力を育てることが教育に必要になってくるといわれています。同じ事を繰り返すことから、新しいものに自らチャレンジするということがこれからの生きる力となります。

 

先日、幼稚園の園庭で子どもたちと焚火をしました。子どもたちは思い思いの葉っぱを入れてみたり、時には石を入れて見たり、ビオトープに張っている氷を入れて見たり、色々なものを入れたがります。時には「ちょっと待って・・」と思うこともありましたが、ケガしないようにだけ気を付けて見ていたのですが、その姿はまるで研究者のようでした。大人が思う“いたずら”は子どもたちにとっては実験なのだと改めて思いました。しかも、これは大人が指示して行う一斉保育ではなく、子どもたちの自由な発想から生まれた行動です。この時、「保育とは何なのだろう」と思いました。これまでのような一斉で子どもたちに伝える保育では子どもたちの発想を止めてしまうことがあります。しかし、自由遊びではその発想は環境さえあれば無限になるのです。つまりは、保育において、「使い方や環境を整えること」が大人の役割で、その先の大きな学びというところは自由遊びにあるのかもしれません。

 

遊びの中で起きる子どもたちの実験は大いに興味関心をくすぐるだろうと思います。そして、そこで起きる実験は子どもたちの未来に向けた「自ら能動的に社会に働きかける力や困難に立ち向かう力、新しいものを創造する力」を養う種になるだろうと思いました。そこに保育者は子どもたちの発達を理解し、発想を豊かに、子どもたち自らが考えられる環境をいかに作るかが保育なのだと改めて感じました。