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副園長のコラムcolumn日々考えること

先日、門真市にあります大阪国際大学で保育士に興味のある高校生に向けて、講演を頼まれたので、話をしてきました。50分ほどの短い時間でのお話であったのですが、そこで現在今たちばな幼稚園で行っている保育についてと、これからの社会に向けて子どもたちがどう育つべきかということを中心に話を進めました。高校生たちはまだ、実感としてはあまりない様子で聞いていましたが、やはり現場の様子や子どもたちの姿などには目を向けていたように思います。

 

大学の話ですと、最近の学生の傾向でいうと中学生卒業頃までは将来の夢として「保育者」を挙げることが多いようですが、高校卒業時には保育者になりたいと志望する学生がグッと減ってくるようです。また、就職の紹介会社である保育士バンクの方に話を聞くと保育園を志望される方は多いが、幼稚園を志望するというかたはその半分以下の人数になるようで、保育園で働くことを希望される人が多いようです。

 

では、なぜ保育園の方が希望されるのかというとそれは「仕事の業務の量」が、保育園の方が幼稚園よりも時間の融通や仕事量、行事が少ないと見られることが多いからのようです。私からするとそれはイメージが先行している話であると感じるのですが、どうやら、世の中のイメージはそういったことなのでしょう。しかし、それだけではなく、最近では保育士は「底辺の職業ランキング」にも入ってしまっているようで、残念に思われます。また、バスの子どもの置き去りの事件、虐待の事件など暗いニュースばかりが取り上げられ,「保育者」という仕事は今の時代、厳しい目線がそそがれる現状があるように思います。

 

そんな中、学生にどのような話をしなければいけないのかと考えながら、当日を迎えたました。ただ、話すにあたって、単純に「子どもと関わるのは楽しい」という話をするのではなく、「保育というのは社会においてどれだけ意味のある仕事なのか」ということを話さなければいけないなと思っていました。未だ、「保育は子どもと遊ぶのが仕事」といわれることがあります。確かに「遊ぶのが仕事」でもあるのですが、「遊ぶ」ということがどういった意味があるのか、なぜ「遊ぶことが大切なのか」までは発信ができていないようにも思います。そして、保育施設で必要な「遊び」とは何なのか、未来に生きる子どもたちに向けて行う「遊び」にはどういった意味があるのかをもっと発信していく必要性を感じました。

 

私としてはこの乳幼児期というのは非常に大事な仕事であると同時に、非常に魅力のある楽しい仕事であるとも思っています。そんな魅力をどう社会に出していけばいいのか、今幼稚園でやっていることを外に出していくにはどうしたらいいのか、現場の先生たちが頑張ってくれていることを伝えることはとても大切なことであるという事を改めて考えさせられる機会となりました。