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投稿日時 2022年10月1日

乳児から

副園長のコラムcolumn日々考えること

本日から入園願書の受付が始まりました。来年度から新しく入園してくる子どもたちにはぜひとも幼稚園での生活が良い思い出であったり、楽しい生活を過ごしてほしいと思っています。まだまだ、1号児の願書受付は行っておりますので、是非とも入園をお考えの方は、見学をしていただければと思っています。

 

また、最近でも見学者の方を案内していると「乳児やっているんですね」と聞くことがたびたびあります。たちばな幼稚園の園名には「幼保連携型認定こども園」と書いてはあるのですが、まだまだ認知としてはもっと頑張っていかなければいけないなと思いました。

 

ではなぜ、幼稚園がこども園へと変わっていったかなのですが、これは昨今の少子化により、園運営において乳児から預かることの必要性というものがあるのですが、それと同時に、これからの保育においては、乳児からの保育の重要性というもの無視できなくなっているということが分かってきました。

 

これは脳科学の発展に伴い、乳児はこれまでのように「白紙」で生まれてくるわけではないということが分かってきたからです。人間の脳はニューロンといわれる神経細胞があります。実はこのニューロン、生まれたばかりの赤ちゃんが一番持っているといわれています。そして、そのニューロンをつなぐものがシナプスと言われる神経線維です。そして、このシナプスは脳が使われるほど、増えるといわれています。逆に、使われなければ消去されていきます。こうやってうまく増やしたり、減らしたりして成長していくのですが、「脳が使われる」ということはどういったことなのでしょうか。脳が一番使われるというのは子どもが実体験を行っているときであるといわれています。そして、この実体験というは何も赤ちゃんの身に起きていることだけではなく、目の前で起きている経験もまるで実体験が起きているように赤ちゃんは経験しているといわれています。

 

そのため、保育の中で重要になってくるのは、子どもが自ら進んで活動することや様々な人を観察しモデルになる経験値を得ることです。そして、こういった経験は大人が仕向けて受動的に体験していくことよりも、子どもが主体的に活動することのほうが、考えたり工夫したりする機会は多くなります。そのため、主体的に活動した方が、実体験としての経験値はより大きくなります。これが主体性が大切にされる所以です。

 

このような子どもの発達というのは生まれてきた赤ちゃんから起きています。何もしていないように見えて、色々なところを観察しています。だからこそ、乳児期の赤ちゃんからたくさんの遊びを通して経験することや他の赤ちゃんを見て模倣し、遊ぶ場というものをしっかりと作る必要があります。そして、そういった育ちを乳児から幼児にかけて通して保育したいというところからこども園への移行に向かっていきました。

では、この脳のシナプスの減少ですが、乳児期を過ぎてしまったからダメなのかというとそうではありません。脳の発達は可塑性があり、乳児期以降においても、もちろん発達はします。そして、脳の発達に必要な主体性を中心とした実体験ができる環境作りは変わらず必要になってきます。だからこそ、たちばな幼稚園では幼児クラスでも、自分で選ぶ選択制や、様々な年齢と関わる異年齢での生活を通して、主体性や見て学ぶ経験値をつけれるように行っています。

 

 

子どもたちが今必要とする環境をどう作っていくことが出来るのか、コロナ禍においては、本来の子どもの成長において必要な環境作りを行うには非常に不利な状況ですが、その中ででも、これからの子どもたちにとってどういった保育が良いのかを常に考えていきたいと思っています。