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2024年6月6日の日本経済新聞の一面に合計特殊出生率が過去最低の1.20であったという記事がでました。このことは様々なメディアでも取り上げられたので、保護者の方々も多く耳にされていることと思います。特に東京は1割を割って、0.99人という出生率になりました。出生率の低下というのは当然、人口にも大きく影響します。出生数と死亡数を比べた時、日本は17年連続で出生数が死亡数を下回っているようで、死亡数が前年比よりも0.4%増の157万5936人に対し、外国人を除く出生率は前年比5.6%減の72万7277人。つまり、84万8659人日本の人口が減っているということが言えるようです。これは前年よりも5万人多く人口減少が起きているということが記事に上がっていました。
こういった現象がおきる要因は様々言われています。未婚化や晩婚化であったり、経済的な理由などが取り上げられます。最近では限界集落といった言葉も聞くくらいですし、地方にある知り合いの幼稚園や保育園の先生の話を聞いていても、「〇〇年後は人口ゼロになると言われています」といった言葉を聞くようなりました。
お隣の韓国も0.72人と出生率はかなり深刻です。韓国は受験戦争における教育費や子育てと労働環境との両立や住宅価格の高騰などが原因とされています。これは日本も似ているところがありますね。特に東アジアにおいては1割を割り込んだ国が多くあるようです。子育て先進国といわれるフィンランドでも1.26人と子育ての支援(育児休業、託児所の整備、)を多くしてもなかなか出生率が上がらず、価値観の多様化により子どもを持つ優先度が下がったことが大きな要因であるようです。
一方で、出生率を改善している国もあります。ドイツは働き方改革を進め、30年間で子どもと両親が一生に過ごす時間を1.5~2倍に増やすことや、移民の受け入れを進めることで、出生率を上げています。米国においても移民の受け入れによって経済成長につなげているというのを見ると、日本もこれから先、人口減少はなかなか止まることはないでしょうから、日本以外の国の人の受け入れを進めていくことで、労働人口の確保をしていくだろうということが予想に難くないように思います。
そうすると、ますます今の子どもたちはより多様な価値観のある環境の中で生きていくことになりますし、そんな社会を支えていく人材になってきます。日本という国の文化を継承し、多くの国の人たちと手を取り合いながら「生きていくための力」というのはますます重要になってくるのだろうと思います。願わくば、その際にリーダーシップを存分に発揮し、社会の中で生きていく力をつけてあげたいものです。以前、韓国の見学者が30人ほどたちばな幼稚園に見学にきましたが、私は最後に「未来を生きる子どもたちに『どういった社会を残していくか』ということをよく言いますし、それも大切なことですが、それ以上に『未来を作る力』を育てていくことも必要ではないか」と話しました。旧態依然とした保育や教育を「伝統」といった言葉で変えないのではなく、いかに未来を見据えた教育や保育を考えてかつ実行していかなければいけないのか、今その瀬戸際にあるように思います。
2024年7月23日