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2024年5月 新しい世界

巻頭言

先日、園内研修で幼稚園の保育のコンセプトの話をしました。

これからの教育活動において、今後の社会は非常に今よりは変わった社会になるということが言われています。話の初めに昨年度も巻頭言で紹介した「future of work」という動画を先生方と見たのですが、そこに出てくるダンプカーやトラクターは全くの無人で動いていました。そして、コンビニなどの小売業も無人で会計まで行われます。レストランの調理やお医者さんが行う手術すら無人で行われていることがその動画で流れています。そして、最近よくニュースで見る配送における人材不足も自動運転によって解消されるかもしれません。その動画では大型のトラックが無人で道路を走っている描写があります。

 

動画を見ていても実際日本で起きているものではないだけに、かなり遠い未来のようにも感じるのですが、実際、今の日本においても東京の臨海新交通臨海線である「ゆりかもめ」や大阪でも南港ポートタウン線(ニュートラム)も1991年から無人運転を行っています。CMでも日産の自動運転が少しずつできるようになってきているのを見ると、こういった時代の流れや変化が必要に応じて大きく起こり変わっていくと言えます。自動運転に限らず、新型コロナウイルスによって「リモート」での授業や仕事への変化があっという間に起きました。それによって仕事の多様性というものは増えています。

 

こういった時代の変化に応じて、新しい働き方や新しい職業というものはこれからますます増えてきます。それと同時に今ある職業がなくなっていくということも言えます。アメリカの研究では今ある職業の65%ほどは無くなってくると言われています。ということは、これから社会に出る子どもたちは今ある職業の多くに従事しなくなるとも言えます。そして、その多くは「今ない職業」につくのあろうと思います。

 

ビジネスの世界ではこれからの社会はVUCAの時代だと言われえています。VUCAとは「将来の予測が不可能な状況」ということを意味する言葉です。それはAIなどの社会の変化だけではなく、政治不安やテロ、自然災害も含めて、これからの世界はますます早いスピードで変化していくと言われています。

 

そういった時代に必要となってくる能力はこれまでのような「教え学ぶ」といった受け身の教育では変化のある社会に対応できなくなります。そうではなく必要な力は「自ら学ぼう」とする主体性を求められます。たちばな幼稚園ではその主体性に目を向けて、子どもが自ら考えることやヒトと協働して活動することを大切にしたいと思っています。勉強ができる子ではなく、学習する意欲を育てることが乳幼児教育と思っています。そんなことを先生方と共有しながら、子どもたちが実りある幼稚園生活が送れるように考えています。

 

新しい年度も始まりました。今年度もよろしくお願いいたします。