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投稿年月日 | 2018年5月20日 |
題名 | これからの社会 |
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投稿者 | 邨橋 智樹 |
5月9日の東洋経済オンラインに「日本人は人口減少の深刻さを分かっていない」という記事が書かれていました。現在日本は8年連続で人口減少が続いており、少子高齢化が言われて久しいですが、ここにきて「少子化=人口減少」が目に見える形で表れてきているとあります。
国立社会保障・人口問題研究所が発表したデータでは、2030年にはすべての都道府県の人口は減少し、2045年までに日本の総人口は1億642万人になると予想しています。今後30年で2000万人以上人口が減少することになるようです。そして、地方では3割もの人がいなくなるのが当たり前になるようです。高齢化も進み、65歳以上の人口比率は2065年には38.4%となり、ほぼ4割の人が高齢者になることが見通されています。生産年齢人口比率は51.4%に落ち込み、現在の(2015年)の60.7%を大きく下回り、働ける人が2人に1人の時代になりつつあるということになります。
そこで人口減少社会は日本にどういった影響を起こすかというと①高齢社会を予想して社会はデフレ傾向がより進む。②労働人口が減少し、経済が縮小する。③若者の比率が減少し、すべてが年寄り中心の社会になり、挑戦よりも安定志向が強く、チャレンジしない「責任回避社会」になる。そうなってくると抗議やそれを回避する書類が増え、物事の意思決定も時間がかかり、保守的になり、やはり経済が縮小する。④人口減少の影響により不動産価格の崩壊が起き、土地価格しか残らないほど住宅の価値が低くなるという。⑤少子化により、受験で苦しむ子どもの数は少数派になるが、定員割れする学校が増え、教育産業全体が衰退してくのは間違いなく、大学受験業界では18歳以下の人口が加速度的に減少する「2018年問題」という課題が業界リスクとされている。といったように人口が減ることによってさまざまな社会的問題がおきることが予想されています。
では、人口減少を食い止めるにはどうしたらいいのか。ここでは①出生率を飛躍的に増やす②ロボットやAIによる生産性向上で人口減少に勝つ③単純労働も含めて海外から「移民」を受け入れる。ということが言われています。日本は海外からの人材を受け入れが遅れている国でもあるようです。世界ではITやAIなどの高度なスキルや才能を持つ優秀な人材の獲得競争が10年前から起きていたが日本はその流れに乗れていないと言われています。しかし、その反面、移民の受け入れは治安悪化、賃金下降を招くだけではなく、神社がモスクに代わるといった日本文化を守るのも難しくなるともいわれています。
様々なことが予測されていくこれからの社会。今年生まれた赤ちゃんは2065年には47歳。年長の子どもたちはその頃53歳になります。こういった社会を見越して、必要な教育とは何なのかということを考えなければいけません。AIに対応し、移民の人とも協力し、持続可能な社会を作っていく力が求められる時代になってきます。その時に「生きる力」とは何なのか。乳幼児の教育のあり方を見つめなおし、今、預かっている子どもたちの未来をしっかりと見通して保育を考えていきたいと思います。
邨橋 智樹
2018年5月20日