Number | 36 |
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投稿年月日 | 2018年3月20日 |
題名 | シンガポール |
内容 | シンガポールはOECD(経済協力開発)のPISAテスト(学力到達度調査)で現在世界一の国です。シンガポールは現在人材育成にとても力を入れている国です。 |
投稿者 | 邨橋 智樹 |
2月にシンガポールに行く機会がありました。シンガポールはOECD(経済協力開発)のPISAテスト(学力到達度調査)で現在世界一の国です。この学力調査はよく日本の新聞で「世界の中で学力が下がった」「上がってきた」と言われるもので、OECDに加盟している先進国が行っているものです。
そのシンガポールですが、シンガポールは現在人材育成にとても力を入れている国です。というのも、シンガポールは、自給自足できる資源というものがあまりない国であり、国の財源となるものは主に金融・経済・ITといったようなものが中心であり、優秀な人材を作ることが大きな課題となっているようです。受験戦争も非常に厳しく小学校の時点でかなりふるい落としがされるようです。そのため、保護者も教育に対する関心が非常に高い国です。
日本では、熱心な保護者は割と英語教育などをもっと勉強させてほしいと言われることが多くありますが、シンガポールでも例外ではなく、受験戦争が厳しいため、早いうちからいろいろなことをやらせようとする保護者が多いそうです。しかし、今回見学させていただいた財団の保育園はそれよりも自発的に行動できる子ども、子ども同士のコミュニティを大切にすることを中心に保育を変化させていくことが今後の目標になっているそうです。
シンガポールの教育者は子どもを見守ることが大切ですといったうえで、「子どもを見守るには、子どもを愛し、保護して注意深く観察し、ニーズを特定することです。目標は子どもたちに直接教えたり指導したりすることではなく、誤った行動を修正するときには、すばやく介入することです。そうすることによって子どもたちは次第に自分で考え、様々なことを学ぶようになります。これは子どもに教えたり、子ども自信でできることをやってあげたり、なんでも与えたりせず、子ども本来の能力を「引き出し」育てるための育児のアプローチです」とありました。この考えに私も同感です。
そして、保育者のセミナーにおいてこんな問題提起をしていました。
「Mommy、 I do not have any friends in school」「Yes、 darling?Why?」「because I do not know how」「I will speak to your teacher tomorrow.」
(「ねえ、お母さん、僕学校には誰も友達がいないんだ」「本当?どうして?」「よくわかんない」「わかった、お母さんが明日学校の先生に話してみるわ」)
こんな会話を聞いて、「教育者として、私たちは、この子どものお母さんへのかかわりが心配になりませんか?」と問いかけています。
確かに子どもたちに知識や技能をつけてあげることや子どもを守ることはとても重要です。しかし、その大人の介入が子どもたちにとって本当に必要かどうかを考える必要があります。世界でも保育の本質が何かと議論され、その内容が今幼稚園が行おうとしていることとズレてはいないということがシンガポールの研修に参加してわかりました。
邨橋 智樹
2018年3月20日