Number 26
投稿年月日 2017年3月3日
題名 改訂
内容 SNSなどのコミュニケーションツール の取り扱いは特に難しく、こういったツールを使ったイジメなどが起こっているのは他人 ごとではなく、身近な問題であるということが分かりました。
投稿者 副園長 邨橋 智樹 

2017年3月号 改訂

巻頭言

先日、門真市の中学校・小学校・幼稚園の共通カリキュラムの検討委員会に参加してき ました。私が参加した内容では小・中学校の取り組みの発表、今後の課題において話し合 われていました。

 

てっきり、私はそこで学力などの話が中心になるのかと思っていたので すが、そこで話されているほとんどの事柄はコミュニケーションにおける話が中心でし た。最近ではスマホが普及していることもあり、SNSなどのコミュニケーションツール の取り扱いは特に難しく、こういったツールを使ったイジメなどが起こっているのは他人 ごとではなく、身近な問題であるということが分かりました。

 

また、こういったコミュニ ケーションツールの話を受け、AI(人工知能)の発達などでこれからの社会は大きく変 わるのもそう遠くない将来なのでしょうね。 こういった社会の変化を受けて小学校の学習指導要領も新たに変わります。今回の改訂の大きな特徴は「社会に開かれた教育課程」の理念のもと、実際の社会で活用できる力と して「育成を目指す資質・能力」を3つの柱で示したところにあり、その三つの柱とは 「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性など」の三つです。

 

これらの資質・能力を各教科等によって育成することができるよう「学習指導要領」が見直されました。また、今回の改訂にあたっては「これからの社会を生きていくために必要 な資質・能力を育てるという観点から見ると、どうも今の日本の学校教育は十分役割を果 たしているとはいえないのではないか」というこれまでの教育の問題点を改めて考え、 「グローバルでの変化の激しい社会において、社会に出てから必要とされる資質・能力の 力点が、大きく変わりつつある」という国際社会に向けての資質や能力の変化に応じた教 育内容の変革を行おうとしています。

では、こういったことを受けて幼稚園や保育園といった乳幼児教育においてはなにが求 められるのかというと、今回の幼稚園教育要領や保育所保育指針の改訂における「10 の 姿」があります。これは乳幼児施設の教育課程である「5 領域」を通して、子どもたちが 卒園するときの望ましい姿が描かれています。それは到達目標ではなく、あくまで「望ま しい姿」です。そして、その姿は小学校に向けたものではなく、やはり社会に向けたもの です。

先の門真市の小学校・中学校の先生の話ではないですが、社会に出るときに子どもたち が必要になる力はどういったものになるのでしょうか。

 

作業をするような仕事はAIがで きる時代になります。それよりも新たなものを創造する力やそこに向かって粘り強く取り 組む力・様々な人と協力する力が今後はより重要になってくると言われています。

 

そのた め乳幼児教育において興味・関心・好奇心・探求心を持てるような保育を進めることは後 に伸びる力をつけることになると考えています。そのためには先取りをすることや、子ど もたちに要求するよりも、子どもたちの持っている力を信じて、見守っていくことが一番 の近道かもしれません。

 

そして、私たち大人が子どもたちをみまもっていけるような社会 を作ってあげたいですね。

今年度も様々な行事や保育への協力、ありがとうございました。