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投稿日時 2024年12月

2024年12月 発表会とインクルージョン

副園長のコラムcolumn巻頭言

来年度に向けて、園見学にこられる保護者の方が日々幼稚園に見学に来られますが、ここ最近療育に通っているお子さんが非常に増えてきているように思います。私は間違いなく新型コロナウィルス感染症による家庭の孤立化やマスク生活における子どもの言語習得の弊害などが大きな原因であると思っていますし、やはり人間は母親だけで育児するのではなく、社会で育てていかなければいけないということを改めて感じています。

 

たちばな幼稚園ではこれまでもそういったお困りの保護者の方々のお子さんを入園を受け入れることをできるだけ頑張っていたのですが、ここ最近は保育者の体制や安全面の理由、そしてお困りのお子さんの要望の増加から全員を受け入れるということができないケースも出てきています。申し訳ないかぎりです。

 

ただ、ほかの乳幼児施設に比べるとたちばな幼稚園は受け入れられるという話を聞きます。なぜそれができるのかは先生方の努力とともに、子どもの発達に合わせた選択が保障されているからだと思っています。障がいを持った子どもや発達がゆっくりな子どもたちも必ず成長はします。問題はその環境を日本では「年齢に合わせて」ということが優先されていることにあると感じています。「支援」は学年に引き上げることが目的になっており、その子の発達に合わせることではない現状があり、頭を悩まされます。

 

一方で、異年齢で生活していると子どもたちは発達に合わせた友だちを選びます。そして、選択制を通して、活動も自分にあったレベルのものを選択することができます。また、ともに年齢を含めいろいろなタイプの子どもたちと過ごし、多様な保育者と過ごすことで子どもたちの多様性はより深まります。コミュニケーション能力の低下や差別などの刷り込みはこの多様な環境がないことで起きるように思います。そういった意味ではまだまだ日本は子どもの選択肢や多様な環境にまだまだ課題があるように思います。

 

12月は生活発表会がありますが先生方と「演劇を見せるのではなく、劇遊びを見せよう」と話しています。見せ方は年齢別のクラスで見せますが、子どもたちのありのままの姿を「言葉」と「表現」といった切り口で発達成長を見せられればと思っています。そのためには子どもたちの意見を聞き、ともに作っていかなければいけません。劇そのものの出来よりも、子どもたちがイキイキと楽しんでいる姿を楽しんでほしいと思います。