Number | 25 |
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投稿年月日 | 2017年2月6日 |
題名 | 性格スキル |
内容 | 昨今の技術革新のスピードの速さを 考えれば、我々が学ぶべき対象も大きく変化している。年齢に関係なく学び続けるこ とが重要 |
投稿者 | 副園長 邨橋 智樹 |
2018 年 1 月 15 日 日本経済新聞の「経済教室」に「人生 100 年伸ばせ「性格力」」 というコラムが掲載されていました。そこには「昨今の技術革新のスピードの速さを 考えれば、我々が学ぶべき対象も大きく変化している。年齢に関係なく学び続けるこ とが重要だし、機会を見つけて学び直しをすることが必要になってくる。リカレント 教育(生涯にわたって教育と就労を交互に行うことを勧める教育システム)のあり方 が重要な政策課題になっている」とありました。
この考えは「人生 100 年時代」とい うイギリスのリンダ・グラットン教授の著書から始まっており、安倍政権もグラット ン氏をメンバーにいれた人生 100 年時代構想会議を立ち上げ、政権の新たなキーワー ドである「人づくり革命」のついての検討を進めています。
そして、この記事の中心となる話題に上がっているのが「性格スキル」です。「リカ レント教育」という「学び直し」とはどういったことを言うのか、学校の教室で先生 が一方的に教える新たな知識や単なる知識の蓄積ではないということをそこで言って います。そういった知識の蓄積やその引き出しだけでする仕事であれば、高度な仕事 に見えてもAI(人口知能)に代替えされてしまうであろうというのです。AIに代 替えされないような普遍的な能力やスキルが必要というのです。それが「生活スキ ル」だというのです。
性格スキルとは心理学や経済学で「非認知能力」と呼ばれてきたものです。この非認知能力というのは最近の保育界の中でも、最近よく聞く言葉になってきました。非認知とは 2000 年にノーベル物理学賞を受賞したジェームス・ヘックマン教授による研究によるもので「学習意欲をはじめ、誘惑に勝つ自制心や難解な課題にぶつかった際の粘り強さ」といった能力です。こういった能力を持つことはヒトのこれからの社会に非常に重要であると言っているのです。
考えてみると大学の入試がこれから変わる こと。小学校の教育改革のキーワードであるアクティブラーニングの目的などもこう いったことが背景にあるというのがわかります。
人工知能の発達とともに将来の日本の社会のあり方は大きく変わることだと思いま す。便利になる一方で人の仕事の多くが人工知能にとって代わられる時代になってい きます。人工知能ができないことを人がやっていかなければいけない時代になる中で これまでの教育や保育の方法も時代に合わせて見直していく必要もあるように感じて います。
日本経済新聞もこういった記事が出てくるのを考えると、これから求められる人材や社会を支える人材に必要な能力がとてもよくわかります。こういった力をつけることのできる保育環境がどういったものなのか、今、保育を考える中でしっかりと時代を見据えていきたいと思います。
2017年2月6日