タイトル
内容
投稿日時

運動会や発表会の取り組み

副園長のコラムcolumn日々考えること

運動会や発表会など、2学期は保護者に保育を伝える行事が多くあり、割と忙しい学期であります。今、幼稚園では運動会や発表会はどういった取り組みをしなければならないかと行事のコンセプトを改めて整理しているのですが、まず、中心となるコンセプトが「そもそも何のために行うのか」ということです。たちばな幼稚園では藤森メソッド(見守る保育)の考えをもとに行事を「その時々の子どもの発達を見せる」「親子の触れ合いを促す」「地域の文化を伝承する」「保育を厚くする」といった4つの観点で考えています。そのうち、運動会や発表会において保護者に向ける目的の中心になるのが一つ目の「その時々の子どもの発達を見せる」そして、4つ目の「保育を厚くする」です。

 

そもそも乳幼児教育と学校教育とは子どもを育てるにあたって、目的が違っています。学校教育は「知識技能を子どもに身につけさせる」ことが目的になっています。なので、小学校の教育要領の多くの語尾が「~できるようになる。身に着ける」といった言葉が多いです。一方で乳幼児教育では、「子どもの発達を保障する」ということが目的になっています。そのため、認定こども園保育・教育要領の目的には「~を楽しむ。豊かにする。味わう」という語尾が多くあります。つまり、乳幼児教育においては、発表会や運動会などで行う目的は「成果を見せる」ということではなく、「子どもその時期の発達を見せる」ことが目的になります。たとえば、発表会では成果を目的として「セリフを一生懸命に覚える」ことや「言われたとおりにやる」「辛くても練習する」といったことばかりが強調されると発表会の劇遊びが言葉や表現の発達を伝えるものとは違ってくるのです。あくまで保育においては取り組みに目を向けなければいけません。

 

次に、「保育を厚くする」という意味が発表会や運動会にはあります。それはいわゆる「ハレの舞台」という目的です。そもそも日本の伝統行事において日本は農業立国です。日々のマンネリを防ぎ、生活を支えるものとして行事の役割はありました。だから、祭りは基本的には豊穣祭であるのです。子どもたちは行事に向けて、保護者の方々に見られることを期待し、楽しみにして取り組んでほしいと思っています。プレッシャーやストレスではなく、ワクワクした気持ちで本番に向かうのが理想です。日々の話し合いや劇遊びの取り組み、すべては当日にむけて楽しみにして準備してほしいと思っています。そのために職員一同、発表会当日に向けて子どもたちが期待をもてるように進めてくれています。ぜひ、子どもたちのありのままの発達を劇遊びや合奏・合唱といった姿を切り口として保護者の方々も楽しんでほしいと思います。