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11月 巻頭言 お楽しみ保育

巻頭言

今年も新型コロナウィルス感染症の影響もあり、様々な行事を見直すことが多々ありました。お泊り保育もその一つで、新型コロナウィルスだけではなく、台風の影響もあり、一時は中止せざるを得ないと思い職員とも話し合いを重ねました。しかし、そんな中、保護者の方々の後押しや職員の先生たちの思い、なによりも楽しみにしていた子どもたちの気持ちを考え、泊まることが出来なくても、一日目のスケジュールだけでもできないかということで、「お楽しみ保育」と名称を改めて今年は実施しました。当日は何事も大きな問題や怪我もなく、無事に終えることができ、職員からも「やってよかったね」という声が多々出てきて、実に実りある行事になったことと思います。

 

さて、今回のお楽しみ保育において、一つのチャレンジであったのが、近くのスーパーへの買い出しでした。この構想はお泊り保育を幼稚園で行うことになったときから、職員との話し合いの中で、何とかできないだろうかと考えていた内容でした。しかし、この新型コロナウィルスの時期です。果たして買い出しに行って、様々なところにご迷惑をおかけすることにはならないだろうかと考えることがありましたが、最近の流行の縮小が見られたことで先方のスーパーの方々にも許可をいただき買い出しにも行くことができました。

 

子どもたちも、普段保護者の方々と買い物に行くことが多いこともあり、「ルーはこっちにあるよ」「たまねぎはこっち」というように率先し教え合ったりしていたようです。普段、保護者の方々と一緒に来るのとは違い、子ども同士で行くことでまた違った感じかたをしたのではないでしょうか。気持ちの共有や計画を立てることなどは子どもたちにとってとても大きな学びがあったことだと思います。そして、子どもたちにとっては、地域のことを知り、地域の中で生きている実感であったり、大切にすることを感じてもらいたいと思っています。

 

昨今の状況から、以前まで行っていた岩屋寮ではなく、園での宿泊計画にしたのですが、岩屋寮とはまた違った意図性を持った保育になったと思っています。そして、こういった状況の中で、職員の考えの根本にあったのは「岩屋寮にいけないからといって、今いる子どもたちにとって損はさせない。それ以上にここでやってよかったと思えるお泊りにしたい」ということでした。体験という意味では能勢で行うものとは違った体験になります。「幼稚園でしかできないお泊り保育」を目指し、その一つが地域へ買い物に行くというチャレンジした。

 

私は常々、保育とは子どもたちの人格の形成という大きな目標があり、そこに向かうのであれば、アプローチは様々であっても良いと考えています。大切なのはこの行事にどういった意図と、ねらいをもって行うか、そして、子どもたちにとっていい思い出になるかということであると思います。そういった意味でも半日だけではありましたが、「お楽しみ保育」という行事ができてとてもよかったと思います。

邨橋 智樹