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通達を受けて

副園長のコラムcolumn園からのお知らせ

「家庭での保育要請について」の通達が門真市より、各園に連絡がありました。

(原文)「育児休業の方や、今回の緊急事態宣言を受け、家庭での保育が可能となる方、家族や親族の協力により保育が可能な方等については、できる限りの通所を控えていただくよう市から保護者への要請をおこないます。それにともない各施設においては最小限の保育を継続していただきますようお願いいたします。」保護者の方向けの通知をご覧ください。

 

現在、多くの園児・保護者の方々の自粛協力をしていただき、本当にありがとうございます。とはいえ、緊急事態宣言の発令下の中、まだまだ、お仕事に行かなければいけない方が多くいられるのも実際の状況です。園としましては保育者の現状の負担、3密が厳守できない現状も戸惑いが多い中、保育を行っています。保護者の方もできる限りの自粛をしていただいている中で、これ以上の自粛を求めるのも心苦しいのですが、職員が新型コロナウィルスに罹患しますと園も2週間の休園を求められます。そのための職員の感染リスクを下げることも必要になってきます。幼稚園と保護者との連携が求められる中、より一層の不要な登園は自粛していただくようお願いします。

 

さて、ここから私の意見なのですが、私がこの通達を見たときに「最小限の保育」とは何なのかということを思いました。「人数の問題?」「内容の問題?」ここで言われるのはおそらく人数の問題なのでしょう。そして、それは感染リスクを少なくするためなのだと思います。しかし、幼稚園に来るということはおのずと3密を守ることは難しくなります。少なくとも「密集」「密接」を無くすことは困難です。「密閉」に関しては換気という措置をとるしかありません。そんな中で、子どもたちを保育をすることは新型コロナウィルス感染においてはリスクでしかないのですが、こういった施設では致し方のないことです。幼稚園や保育園は感染リスクに関しては決して安全とは言えない環境なのです。そういったリスクを負ってでも園では子どもたちを預からなければいけなく、職員ともども、やはりウィルス感染における感染経路へ気を使いながら保育をしています。

 

また、現在、園には緊急事態宣言発令下とはいえ、まだ預からなければいけない子どもたちが多く来ています。園にこどもを預けに来る親に対してどう「線引き」をするのかという議論が門真市だけではなく、他市においても多くされています。ある市においては社会インフラ(医療、警察、消防、福祉、保育従事者など)以外は保育を受け付けないと言われているところもあるそうです。しかし、私はそういった「仕事の線引き」について疑問をもっています。なぜなら園に子どもを預ける親は職種に限らず「仕事がある」から預けなければいけないのです。現在の園においては自分のリフレッシュのためや、子どもを家で見ることができるのにもかかわらず登園させている保護者はいないと私は思っています。もし、そういった人がいるのであれば、緊急事態宣言に従い、自粛要請に従ってほしいとは思いうのですが、「仕事があるから預ける」人に線引きをするのはあまりにも非情ではないかとも思うのです。その状況で「職業の線引き」によって不利益を被るのは結果、預かってもらえるところがない子どもたちです。新型コロナウィルス感染症へのリスクを無くし、拡大を防ぐためにしっかりとした措置をとるというのであれば、「職業の線引き」を行う以前に、「保護者が休めるような体制に仕事をする職場」が変わらなければなりません。そして、そのための補償を国や自治体が行っていかなければ、結果、職場も休業しようとはならないでしょうし、この問題は解決しないのではないかと思っています。しかし、嘆いてばかりもいられません。早々に国や地方自治体がそういった仕事現場が自粛体制を整えることができるよう働きかけることも必要です。園としましては、そのことを市に伝えるとともに、今園に来ている子どもたちを粛々とできるだけ安全にあずかれるよう進めていきたいと思っています。

 

まだまだ、こういった感染症における混乱は続きそうです。先行きの見えない自粛、終息の見えない状況、着々と増える感染者。大阪においては現在大阪府内には481人、門真市では13人の方が新型コロナウィルスに感染しています。保護者におかれましても、不安なことが多いとは思いますが、自粛協力していただいている方はもうしばらく、辛抱をお願いしたいと思います。そして、今働いている保護者の皆様におかれましては、保護者の方々がまず感染しないことをはじめとして、一日でも子どもたちが安心できる環境に戻すことができるよう願っています。

 

たびたびにはなりますが、園は安全な場所ではなくなっています。不要な登園の自粛への協力をお願いいたします。この重要な国難ともいえる局面を乗り切り、まだ明けきらぬ新学期に向けて、子どもたちと晴れやかな顔で合うことができることを心待ちにしています。

 

たちばな幼稚園

副園長 邨橋智樹