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投稿日時 2022年7月1日

底辺ランキング

副園長のコラムcolumn園からのお知らせcolumn日々考えること

「就活の教科書」公式サイトより

職業の底辺ランキングというのは記事になり、色々なところで物議をかもしだしているようです。何とその中に保育士も入っているということを見るとなんとも残念な気分になります。そのランキングに入っているのは表に表した通りですが、これらの共通する特徴は①肉体労働である。②誰でもできる仕事である。③同じことの繰り返しであることが多い。というのが特徴でした。これらのことだけを見ると保育士というのはこの特徴には該当しないのではないかと感じるのですが、それ以外にも➀平均収入が低い。②結婚時に苦労する。③体力を消耗する。これらの3つの内容に関しては頷かざるをえない実態があるのも事実です。

 

一般的に保育職というのは平均の収入が低いです。だからこそ、男性保育士がなかなか増えていかないというのもこの理由であることが多いです。次に結婚時に苦労する。このことに関しても、結婚することに関しては問題になることは少ないのではないかと思うのですが、「子どもを産む」ということがなかなか難しいというがあるようです。事実、産婦人科医に聞くと、看護師と保育士は仕事上のストレスなどの要因から妊娠しずらいということが言われているようです。三つ目の体力の消耗というは子ども相手だから、ある程度は必要なのかもしれません。こういった保育をする上での職場環境というのはなかなか課題があるといえると考えています。最近では育休制度や産休制度、キャリアアップや処遇改善などを通して保育士の環境改善ということが行われています。

 

保育士がこのランキングに入ったというのはその仕事の無理解があるのではないかと思います。逆に言うと、もっと保育士としての仕事の意味を社会がまだ認識していないというのも言えるように思います。未だに保育という仕事が「子どもと遊ぶこと」や「親の子どもを預かる」といった「子どものおもり」といったイメージがあるように思います。しかし、保育は乳幼児教育といわれるようにれっきとした「教育」であります。ただ、遊ぶということが学んでいるという事になかなか結び付かないというのがこの仕事の難しいところなのかもしれません。だからこそ、保育現場から「保育」というものが子どもたちにどういった学びがあるのか、保育を受けたことでどういったところが育っているのかという事をもっと発信していかなければいけないのだろうと思います。それが結果としてこういった仕事の理解であったり、やりがい、地位向上につながるのだろうと思います。

 

「底辺の仕事ランキング」というのはどう見ても失礼極まりないランキングであると思います。それらの仕事は社会に必要です。そして、どれもなくては社会が回らない仕事でもあります。私は保育という仕事はとても意味のある仕事であると思っています。教育基本法や保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領にもあるように「社会の形成者」を育てる基礎をつくる仕事として、非常に重要な意味があると思っています。しかし、それと同時に、「そういったイメージ」があるというのも事実なのかもしれません。だからこそ、このネガティブなイメージを覆すだけの発信を同時にしていかなければいけないのだろうと思います。