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ロフトの設置

副園長のコラムcolumn日々考えること

園内を歩いていると、2歳児クラスのロフトが解放されていたのに気づきました。子どもたちは解放されたテラスが嬉しいのか、ロフトの上で絵本を読んだり、階段を上り下りしたり部屋にいる先生に手を振ったりと楽しそうに遊んでいました。

 

2歳児になぜ、ロフトを用意しているのかというと、ロフトは危険を伴います。落ちたりすることもあるので、しっかりとルールや周りの動きの見通しを持っていなければいけません。つまり、ルールや見通しを持っていないと出すことが出来ない環境です。そして、それは2歳児が0,1歳児や3.4.5歳児と違い、単一のクラスになっているということにも繋がっています。幼児クラスでは人数も増え大きな集団になりますが、その時に、子どもたちとのルールを学ぶことややり取りができるようになっていなければいけません。2歳児という時期は言葉を使ったコミュニケーションが深まってきたり、3~5人ほどの友だち関係を形成する時期といわれています。そのため、社会性や関係性がより深まっていく時期でもあります。だからこそ、2歳を持つ先生は子どものお世話をするというよりも、自分でできるような自立に向かう支援を丁寧にすることが重要なねらいになってきます。

 

そのため、ロフトを出す時期が問題になってきます。そして、それは年度によって違ったりします。大切なのは「この時期」だからロフトを出すのではなく、「ロフトを出しても、子どもたちが自分で遊んでもいい時間とそうではない時間を見極めることが出来るようになってきた」ということを先生方が子どもたちの様子を見てその時期が来たからロフトを用意したのだと思います。もちろん、そうはいっても、興味があることでテンションが上がっていたり、ルールがまだ理解できていない子も出てくるでしょうが、今日の様子では子どもたちはしっかりとルールや危険にならないように相手を見て遊んでいたり、先生の注意を聞いて遊んでいました。

 

また、ロフトを作る理由のもう一つが、上から下を見下ろすというのは脳のシナプスを刺激し、脳を活性化させ、空間認知能力を養うことが出来るということも言われています。あまり普段子どもの目線から見えないところから、見下ろしていつもの環境を見るというのはなかなか新鮮な印象を持ったでしょうね。また、こういった視点に立った時、子どもたちはその中で「これを落としたらどうなるんだろう」といろいろなものを落とそうとします。クッションを落としたり、ロフトから先生に絵本を手渡したりと様々なことを試します。この行動は大人からすると危なく、ものによっては危険であったり、悩ましいいたずらですが、子どもたちからすると、興味ある実験でもあるのだろうと思います。

 

2歳児は幼児クラスに向かう大切な時期です。いろいろなことが出来るようになる時期でもあります。子どもたちがロフトのうえで笑い合い、跳び跳ねながら、遊んでいる姿を見る先生たちの顔は心配そうでもあり、共ににこやかに見守る様子でした。環境を変化させ時期を先生たちは子どもの姿から読み取り、出す時期を考え、環境構成した中で子どもたちが遊んでいる姿を見ると、「その時期が来たんだな」と子どもたちの様子を微笑ましく、進級に向けた一歩を着実に進めているというのを感じます。