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コロナと学び

副園長のコラムcolumn日々考えること

門真市の小学校に見学に行く機会をいただきました。本当の目的は幼稚園で作ろうと思っているSTEMゾーンに入れる教材のカタログを見せてもらうことにあったのですが、せっかくの機会ですので、学校の見学もさせていただきました。

 

見学させてもらったのはその日が小学校のオープンスクールだったからなのですが、久しぶりに見る卒園児の姿や勉強している姿を見ると胸が熱くなるものがあります。校長先生との話のなかでは、やはり「コロナ」の話題が多くなりました。しかし、それは「コロナ対応」の話ではなく、「コロナの影響」の話です。このコロナはこれまでも幼稚園でも、悩みの種であった「関わる機会の減少」に大きな問題があるといえます。それは幼稚園だけの話ではなく、小学校も大きな問題となっているようです。そして、校長先生もあまりにコロナを恐れるだけの対応にすると、これからの社会に出ていく子どもたちにとって、成績や学歴以上の問題が出るのではないかとおっしゃられていました。このことに関しては私も同感です。

 

以前12月の巻頭言にも書いたのですが、現在門真市の教育において、「非認知能力」というものに関して、非常に課題意識を持っています。これらは「やりぬく力・自制心・他者と協力する力」があげられています。なぜ、この力が注目されているのかというと、この力はのちの学習において、その動機となる「学ぶ意欲」に非常に影響していくからです。しかし、こういった力は「非」認知とあるようにテストによって測ることができない力です。そのうえ、この非認知能力は「人との協同によって育まれる力」でもあるといわれています。つまり、今回の「コロナショック」というのは子どもたちの環境において人とのかかわりを阻害し、人生経験の中で非常に大切な学びの場を失うということが言えます。そして、これは勉強をしたからといって、得られないということに大きな問題があるのです。このことについて見学させていただいた校長先生も頭を悩ませていました。

 

しかし、こういった中でも、その小学校では地域とのかかわりを持たせる活動を行っていたり、保護者の方々にHPなどの媒体を使って、発信していったりしていました。その姿を見て、自分自身ももっと何かできることはないかと考える機会となりました。見学させていただいたことでいい刺激となりましたし、快く受け入れていただけたことを感謝しています。

 

たちばな幼稚園では、保護者の方々に今回のコロナにおいて、様々な面で協力やご理解をしていただいていると感じています。至らない点も多々あるだろうと思います。しかし、今、本当に必要とされる力を得るためにどういった環境が必要とされているのだろうか、どういった活動を進めていくことができるのかと先生方も頭をひねりながら進めてくれています。今週末には発表会があります。そこでも保護者の方々に協力していただくことがあると思いますが、幼稚園に来ている子どもたちが、活動の中で、学び、かかわり、成長しているのかということが伝われば幸いと思っています。