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お泊り保育の変化

副園長のコラムcolumn日々考えること

幼児クラスの部屋を見にいくと「おとまりほいくのよるごはんメニュー」といった紙がつるされていました。そこには子どもたちがお泊り保育に向けて夜何を食べるかの話合いがまとめられていました。ここ数年、お泊り保育は幼稚園内で行っています。それまでは大阪の能勢のほうまで行って過ごしていたのですが、コロナ禍になり、遠くに出向くことも難しくなったのもあり、幼稚園での実施に踏み切りました。しかし、園内で行うことで私としては保育により厚みが増したように思います。

 

まず一つは、子どもたちが体調不良になったときに素早く親元に返すことが出来るという点です。やはり遠いところであると親元に返すことすら、1時間以上かかりますし、時間も遅くなってしまうことがありました。それと子どもたちにとって幼稚園でのお泊り保育は自分の身近な環境の違った姿を見れるという点です。子どもたちにとって環境が変わるというのはそれだけでストレスがかかるものです。そのため不安から体調を崩す子どもたちもいます。そういった心配がないということと、いつもの幼稚園ともちがい「非日常」を感じることにも繋がります。

 

次に幼稚園での実施であると、近くのスーパーに買い出しに行ったり、夕飯のメニューを自分たちで考えて、作るといったように子どもたちが体験だけではなく、計画に子どもたちが参画できる環境が作りやすいということもありました。この点は子どもたちだけでなく、保育者の先生たちにとっても大きな利点でした。こういった活動を進めることで、地域とのつながりを作ることにつながったり、普段の保育においても見通しをもったカリキュラム運営ができるということにつなげることもできます。今年は7月に行うようにしたことで、1学期の内に幼稚園で行う野菜の栽培とお泊り保育の活動を絡めて、お泊り保育に向けた食育活動になります。そのため、子どもたちは単に野菜を作るということだけではなく、「お泊り保育のために」野菜を作るといったより具体的な見通しをもって栽培という食育活動につながっていきます。これはより実体験としては大きな意図が出てくると同時に、野菜のできる期待や野菜を育てるといった見通しを持った動機づけにも大きな意図になってくると思います。

 

そして、最後に在園の年中児や年少児が年長児のお泊り保育の活動を見て、自分たちもその時が来たら、こういったことが出来るようになるという見通しや期待を持つことにつながるということです。お泊り保育は年長児だけの行事でもあるのですが、間接的に他の子どもたちにとっても刺激になります。私はこういった刺激を受けることやあこがれを持つことも非常に重要なことであると思っています。

 

これまでの自然あふれる中でのお泊り保育も非常に楽しく、子どもたちにとっては貴重な体験が沢山出来る場でありましたが、幼稚園内で行うことも社会を知るという事においてや学びの多い体験になるという事において有意義な体験が沢山できるということが、ここ数年このような形で進めていく中で感じました。